私のお気に入り
スピニングロッド ABU ZoomSafari ZMSS-705ML
4年ほど前から、来たるべきニュージーランド再訪では、なんとか南島西海岸の降海型ブラウンを釣りたいものだと思っていた。強風の中、海岸近くのラグーンでストリーマーを遠投する技量は無いので、日和ってこのスピニングロッドを買ってしまった次第。ミディアムクラス、5ピースのロッドである。
メーカーの謳い文句は、
近くの海釣り公園、管理釣り場、池や川、キャンプに持って釣りしよう! どんなフィールド(海、川、池、湖)でも、色んな釣り方(エサ釣り、ルアー釣り、投げ釣り、ウキ釣り)で、さまざまな魚や生き物が釣れる。子供も大人も楽しめる「カッコよくて、カワイイ」なんでもできる マルチピースロッド。釣りが楽しくなるロッド ZoomSafari!!
とあり、汎用性のあるロッドであることがアピールされている。
僕の買ったモデルは、長さ 7ft、適合ルアーの重さ 3~20g、適合ライン:4~10lb となっている。Amazon で購入したのだが、当時の購入価格は ¥16,344。現在では、\12,320と、かなりお手頃になっている。お手頃と言っても僕からしたら、かなりの値段であるが。
ブランクは、カーボン 95%、グラス 5% となっているので、気を付けないと、ぞんざいな扱いでは、また折ってしまうかも知れない。
カラーリングは落ち着いた渋い色合いで、好みである。仕上げも良好。グリップは伝統的なコルク仕上げで、品が良い。そして、何と言っても、仕舞い寸法が短い(約 50cm)ことは、携行・遠征には大きなアドバンテージである。
が、しかし! なぜかグリップの上にフックキーパーが付いていない。最近のロッドはこういうものなのか、それとも単にコストを抑えるためなのかは知らないが、いったい何を考えているのだろうと思う。YouTube を見ていても、最近の釣り人は、移動するときに、ルアーのフックをガイドに掛けたり、リールのベイルアームに掛けたりしている。せっかく高価な素材でできたガイドが付いていても、鋭い鈎先が何回も接触したら、やがて傷が付くのでは無いか? また、ベイルアームに掛けると、引っ張られて少しだけアームが曲がってしまい、何となく気持ち悪い。
以前、渓流釣りのメインで使っているメーカーのスピニングロッドにも、フックキーパーが付いていなかったので、メールで問い合わせたところ
「ラインの絡みを防止するためにフックキーパーは付けておりません」
という、摩訶不思議な回答が返ってきたことがあった。長年スピニングタックルを使っているけれど、フックキーパーにラインが絡んだなんてことは一度も無い。
と、疑問に思いつつ、ABU社の他のスピニングロッドを見てみると、Trout Field (トラウトフィールド) というシリーズが、2023年1月から発売されていて、これらのロッドにはしっかりとフックキーパーが付いていた。しかも、こちらのシリーズの方が相対的に安価なので不思議である。
あと、これは贅沢な注文だが、継ぎ数の多いロッドには、継ぎ目の所に何らかの目印を付けて欲しかった。しょうがないので、百均で文房具の丸印シールを買ってきて貼り付け、その上から透明テープを貼って保護してみた。
コストパフォーマンスの良いフライロッドを出していることで世界的に好評な、中国の MaxCatch 社のマルチピースフライロッドにさえ、継ぎ目のマーキングが施してあるので、ここは、ぜひ見習って欲しいところである。
あと、嬉しいけれど笑えたのが、附属の竿袋が恐ろしいほど厚手の、防弾ベストか? と思えるような生地で出来ていることである。竿の保護には充分なので、丈夫な生地は嬉しいけど、持ち運びには少しかさばるので、もう少し薄い布でも良かったのでは? と思う。布袋のコストを抑えて、簡易的でも良いからハードロッドケースを付けて欲しかった。
まあ、しかし、全体的に見れば、コンセプトが素晴らしく、とても良く出来たロッドで、コストパフォーマンスも抜群だと思う。